新春の谷中七福神巡り

 新年恒例の七福神巡りは、仲摩さんの案内で年々人気が高まり、今年1月6日の谷中七福神巡りには81名もの参加があった。冬のおだやかな陽ざしの中、上野公園の西郷隆盛の銅像前に集合して、徳川家の菩提寺の一つであった寛永寺からスタートした。
 七福神は、日本、中国、インド三国の神の集合体である。まず不忍池の中島に建つ、インド生まれの音曲の女神「弁財天」を祀る弁天堂に詣でた。ここから池之端を歩き、文豪森鴎外の旧居跡があるホテルに立ち寄ったあと、同じインド生まれの財福の神「大黒天」を祀る護国院では景気の回復をお祈りした。
 谷中は寺町でありその一つ長安寺では、中国生まれで長命・延寿の神「寿老人」に長寿を祈願し、功徳林寺では江戸中期のアイドルお仙にまつわる話に耳を傾けた。  大きな銀杏の木がある谷中霊園では、意外に質素な長谷川一夫家のお墓の前で「地獄門」などの映画を思い起こした。午前の最後はその昔、谷中寺町第一の規模を誇った天王寺で、インド生まれで財宝守護の神「毘沙門天」に詣でた。
 天王寺の裏手にあるJR日暮里駅前で一旦解散して昼食をとり、午後は谷中銀座を経て西日暮里、田端方面へ。江戸時代中頃から「ひぐらしの里」と呼ばれ一年中花が絶えず賑わった行楽地にある修性院には、中国生まれの不老・長寿の神「布袋尊」が祀られている。この寺に隣接して、七福神中唯一の日本生まれの神で、商売繁盛と漁業をつかさどる「恵比須神」を祀った青雲寺(花見寺)では、こじんまりしているが、立派な屏風を背にした恵比須さまが鎮座していた。
 最後は、太田道灌ゆかりの丘陵地を通ってJR田端駅近くの東覚寺へ。人気のある赤紙仁王像は、移設工事中で見られなかったが、中国生まれで人々の安全と健康を守る長寿の神「福禄寿」を拝んで、午後3時過ぎに解散した。
(中央ブロック 清水 昌子)


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